筑波大学のVPN「VPN Gate」は、学術的研究を目的として実施されているサービスで、学生ではない方でも利用ができます。
しかし実態がよくわからず、「危険性はないのか」「本当に無料なのか」などの疑問を感じている方もいるでしょう。
実際、筑波VPNのサーバーはボランティアによって運営されていたり、ログが残ったり、いくつかの点での危険性が考えられます。
ここでは、筑波大学VPNの危険性やリスク、使っていくうえで感じる欠点を中心に解説します。
自分の利用目的として筑波大学のVPNを使うことがふさわしいかきちんと判断しましょう。
筑波大学のVPN「VPNGate」の危険性は?
もともと筑波大学のVPN「VPNGate」は学術向けに作成されたサービスで、研究をメインの目的としているため、利用も無料となっています。
日本の名門大学である筑波大学が提供しているため、ブランドとしては安全ではありますが、提供されている技術面からもその安全性や危険性に注目しなければなりません。
筑波大学のVPNを利用するうえで、以下のリスクや危険性があるといえるでしょう。
- サーバーの管理状況がオープンではない
- ログが残る
- サーバーのセキュリティーに不安がある
- ログイン情報が公開されている
- キルスイッチが導入されていない
- L2TP/IPSecに対応しているサーバーが少ない
- サポートやカスタマーサービスに対応していない
有料で提供しているVPNとは違い、サーバーも強くなく、会社の機密情報をやりとりするような目的での利用は不向きといえます。
使っても良いか判断する際のリスクや危険性の参考にしてみてください。
サーバーの管理状況がオープンではない
筑波VPNのサーバーは、有料のVPNのように物理的にサーバーを自社で設置しているわけではなく、ボランティアによってサーバーを運営しています。
サーバー管理状況が不透明なため、暗号化されていない通信はそのサーバー管理者に読み取られる可能性もあります。
筑波VPNの運営者情報についても、名前の記載はありますが、連絡先の記載は必須ではありません。
加えて外国人が運営しているサーバーもあるため、仮に法律に関係するようなトラブルが起きた場合でも泣き寝入りとなってしまうリスクもあります。
つまりサーバーの運営状況を正確に把握できないため、情報を盗み見られたり、連絡をとることができない点が1つのリスクとなります。
ログが残る
筑波VPNでは、VPN Gate の不正利用防止や防犯の取り組みとしてログを最低3ヶ月保存するようになっています。
インターネットやコンピューターの利用状況やデータ通信など履歴や情報を記録したデータ。
多くの有料VPNでは個人のプライバシーに配慮して、ノーログポリシーを徹底していますが、筑波VPNでは実験運営者の管理するログ管理サーバーに通信内容を保存されてしまいます。
防犯目的のためといえばそれまでですが、あくまで犯罪者を特定しやすくなるだけであり、悪事を働かない利用者からすれば逆にリスクとなってしまいかねません。
アクセスログは接続先の VPN Gate 公開 VPN 中継サーバーのログファイルに記録されるとともに、VPN Gate 実験運営者の管理するログ管理サーバーに syslog プロトコルと同等のプロトコル (SSL で暗号化) により集約されます。
引用:VPN 接続ログの保管・開示
加えて、ログのポリシーについては、各サーバーの管理者に任せるようになっています。運営者の素性が不明な点も相まって危険性があるといえるでしょう。
サーバーのセキュリティに不安がある
サーバーも通常のPC同様セキュリティを強固にしなければなりません。
もし仮に筑波VPNの運営サーバーのセキュリティーが疎かであれば、その保存したログから情報が漏洩するリスクもあります。
ボランティアによって無料で(対価なしで)運営されているため、セキュリティ面でも不安が残ります。
回線の混み合う時間帯に利用すれば、通信障害のリスクも高くなるでしょう。
また、仮にアクセスしているサイトやアプリが通信を暗号化していても、利用者側が気の付けようがないサーバーのセキュリティが弱ければ意味がありません。
そのため、運営元の詳細が記載されているような企業が運営しているのではなく、ボランティアの個人が運営していることは、セキュリティ面でも不安が残る原因となります。
ログイン情報が公開されている
通常VPNのログイン情報は、不正アクセスされないように厳重に管理されてければなりません。
過去には、VPNのログイン情報の管理不足によって日本のオンラインゲーム会社「株式会社マイネット」が不正アクセスされ、13タイトルものゲームがサービスを停止する問題が発生しました。
筑波VPNでは、ログイン情報が公開されており、他の利用者と同じIPを共有することになります。
公開されているログイン情報は、VPNサーバーを改編できるような権限ではありませんが、同じ回線を利用している人が多いため、通信速度が遅くなるなどの欠点があります。
ユーザー登録不要かつ匿名で利用できる利点こそありますが、安全面では不安が残るでしょう。
キルスイッチが導入されていない
安全なVPNには。VPNが切断された場合にインターネット接続を自動的に強制終了する「キルスイッチ」とよばれる安全装置のようなものが備わっています。
無料VPNに限らず、有料VPNでも対応していないケースもあるため、必須とはいえない機能ですが、キルスイッチがあればスマホやパソコンを放置していても、プライバシーを守ってくれます。
再度スマホやパソコンを開いてもすぐに接続してくれるため、特別な設定も必要はなく、手間もかからない機能です。
筑波VPNをはじめとした無料VPNでの提供は難しいため、もしキルスイッチが導入されたVPNを利用したければ有料VPNを選びましょう。
L2TP/IPSecに対応しているサーバーが少ない
筑波VPNでは様々なプロトコルで接続できますが、「L2TP/IPSec」に対応しているサーバーが多くありません。
「L2TP/IPSec」は、セキュリティーが高く、iPhoneとAndroid両方のスマホで標準的にサポートされているプロトコルです。
互換性に優れており、安全性が高い通信であるL2TP/IPSecの対応サーバーが少なく、他の接続方法を選ばざるを得ないのは1つのリスクといえるかもしれません。
もちろん同等のセキュリティのプロトコルにも対応していますが、選択肢がすくなってしまう点や、L2TP/IPSecのように互換性が高くありません。
筑波大学もMac OS XやiPhone、Androidの接続ではL2TP/IPSecの接続を推奨していながらも、対応しているサーバーが少ないのが現状です。
サポート対応がない
VPNのトラブル自体の保証をしている会社はどこにもありませんが、優良なVPNであれば、チャットや電話によるサポートに対応しています。
会社によっては、どのように利用するかの疑問にも答えてくれるため、あまりVPNを利用したことがない方には欠かせません。
筑波VPNでは、運営者サーバーの連絡先も一部記載されていますが、返事をくれる保証はなく、サポートといえるまでの対応はしていません。
海外の会社であっても日本語のお問い合わせに対応しているVPNもあり、ライブチャットや電子メールなどからお問い合わせ方法も自由に選択できます。
ライブチャット対応VPNであればリアルタイムで担当者とやりとりができるため、すぐに問題を解決したい場合にも最適です。
その点筑波VPNの運営元の信頼性がハッキリとわからない連絡先に問い合わせる点は危険性があるといえるかもしれません。
その他の筑波VPNの欠点
ここまでに紹介したように一般人が筑波VPNを使用しても問題はないが、リスクは理解していなければなりません。
また、他にもサービスとして利用するうえで
- 通信が遅い
- 通信が安定しない
- サーバー台数が多くない
などの欠点もあります。
通信が遅い
筑波VPNは元々学術研究を目的として作られたものです。
そのためサーバーがあまり強くなく、大きいデータを通信する際はWEBサイトの表示が遅くなってしまう欠点があります。
通常開くのに1秒しかかからないページであっても筑波VPNを通すと、10秒程度かかってしまうケースがあります。
その他Ping値が低かったりもするため、ゲームや動画を目的とした使用にはさらに向いていません。
仮に筑波VPNでアクセスしている回線を他の人も使用していれば、さらに回線が重くなってしまいます。
通信速度や快適なネット通信を求めているのであれば、筑波VPNをはじめとした無料VPNではなく、ある程度サーバーのしっかりしている有料サーバーを利用するようにしましょう。
通信が安定しない・繋がらない
サーバーの強くない筑波VPNでは「繋がらない」という声も多く、安定した通信を求めるかたにも不向きといえます。
通信速度も有料のVPNと比べても圧倒的に遅く、利用者が多くなるにつれてさらに遅くなります。
一部、韓国経由のサーバーは安定するとの声も聞こえますが、基本的には安定した通信や早さを求めるのであれば別のVPNを選んだ方がいいでしょう。
サーバー台数が多くない
元々商業的な利用を目的とはしていないため、筑波VPNではサーバーの台数が多くありません。
国の数や、アクセスポイントも限られるため、国外からのアクセスやIPを目的としている使用なら、別のVPNを使用する方が安心です。
またサーバー台数が多ければ、ユーザー数が多い場合でも混雑を避けられるので、快適にネットを使用できます。
サーバー台数やロケーションの多さが直接影響するようなケースは多くはありませんが、おおければ多いほど選択肢が広がるため、豊富に越したことはないでしょう。
NetflixやAmazonプライムビデオを見るのに筑波VPNは不向き
NetflixやHulu、Amazonプライムビデオなど、いくつかの動画配信サービスでは海外IPからアクセスすることで、その国では配信されていない作品を視聴することができます。
しかし動画配信サービスは映像の重たいデータを通信しなければならないため、筑波VPNでは力不足です。
もし海外からアクセスした状態でも快適にNetflixやHuluを見たいのであれば、サーバーの強いVPNを選ぶようにしましょう。
また、クレジットカードやログイン情報もやりとりを行うため、セキュリティー面での安全性も必要です。
ただ無料だからという理由だけでなく、安全性や安定性も視野に入れて検討することが重要になります。
筑波VPNの代わりとなる安全・高速なVPN
ここからは、筑波VPNの代わりとなる安全・高速なVPNを紹介します。
ここで紹介するVPVはどれも有料となっていますが、サーバーの安定性や接続できる国の数、サポート対応などは無料のVPNとは桁違いです。
お得に利用できるキャンペーンも豊富なので、まずはお試しで利用してみるのもいいでしょう。
筑波VPNでNetflixを見る方法と手順はこちらで紹介しています。
NordVPN
料金 | 1ヶ月395円〜 |
支払い方法 | クレジットカード、paypal、 ビットコイン、その他 |
平均速度 | 368Mbps |
日本語対応 | ◯ |
サーバー数 | 60カ国、5,200台以上 |
NordVPNは、業界大手の人気VPNで、安定性や速度など、どれをとっても筑波VPNより優れています。
ユーザーの行動を記録しないノーログポリシーを貫いており、プライバシー面でも安全です。
さらに広告やマルウェアからユーザーを守る最新機能も備わっており、メニューからオンにするだけの簡単設定で、普段のブラウザより安全性が高まります。
筑波VPNには導入されていない「自動キルスイッチ」も標準で利用できるので、スマホやパソコンを操作していない間でもデータの流出を防ぎ続けてくれます。
\30日間返金保証付き/
SurfsharkVPN
料金 | 1ヶ月290円〜 |
支払い方法 | クレジットカード、PayPal、 Google Pay、Amazon Pay、 暗号通貨 |
平均速度 | 323Mbps |
日本語対応 | ◯ |
サーバー数 | 100カ国以上、3,200 台以上 |
SurfsharkVPNは、通信の安定性や速度にも定評がありますが、一番の特徴といえば接続できる国の数です。
VPNを利用する1つの目的でもある「他の国アドレスからアクセスする」ですが、SurfsharkVPNは100ヵ国以上のサーバーに接続して、IPを取得することが可能です。
サーバーの台数も含めて筑波大学の何十倍もの国を選択できるので、複数のロケーションから位置情報を隠し、追跡される点で安全性が高いといえるでしょう。
さらに、利用できる端末の数が無制限のため、1つアカウントを持っていればお手持ちのすべてのデバイスで利用できるため、1台当たりのコストも大幅に下げられます。
1人で使う分としても破格のVPNですが、家族や友達と共有して使うことができれば一人当たり100円以下に抑えられることも可能ですよ。
\30日間返金保証付き/
ExpressVPN
料金 | 1ヶ月約8ドル〜 |
支払い方法 | クレジットカード、paypal、 ビットコイン、その他 |
平均速度 | 133 Mbps |
日本語対応 | ◯ |
サーバー数 | 94カ国、3,000台以上 |
2009年の設立から人気のある老舗VPNで、日本語の対応も万全なVPNとして挙げられるのがExpressVPNです。
24時間年中無休のライブチャットサポートに対応しているうえ、初めての方に向けたQ&Aも豊富に用意されており、サポート体制は万全です。
またセキュリティ面にもかなり力をいれており、「信頼できるVPNへの取り組み」として、
- 定期的に侵入テストを行い、ソフトウェアを査定
- セキュリティ審査のために独立監査機関と契約し、その実績も公開
など、その取り組み内容を公式ホームページで公開しています。
他のVPNと比較するとやや料金が高めに設定されていますが、1年パッケージで申し込んだ場合には大幅な割引が適用されるキャンペーンも実施中です。
これからVPNを利用してみたいと考えている方は、まずサポート体制の整っているExpressVPNから始めるのがおすすめです。
\30日間返金保証付き/
筑波VPNの危険性まとめ
無料のVPNは、お金を対価としてとらない代わりに、広告を表示させたり、アクセスデータを収集したりしています。
筑波VPNは学術研究のために提供されているため、他の無料VPNよりは安全といえますが、資金が豊富ではないため、有料のVPNと比較するとサーバーの安定性や速度はどうしても劣ってしまいます。
またボランティアによって運営されており、ポリシーも運営者ごとに異なるため、ログを含めたプライバイシー情報が盗み見られてしまう危険性もあります。
もし安定性や速度、安全性を求めるのであれば、それを保証してくれる有料のVPNを選ぶことが重要です。
以下の3つは価格も安く、セキュリティー面でも安心なので筑波VPNからの乗り換えを検討している人に向いています。
- NordVPN:安定性・速度、安全性、どれをとってもトップクラスの人気VPN
- SurfsharkVPN:ロケーションの数や接続できる端末数は豊富なVPN
- ExpressVPN:サポート体制が万全な初めての方におすすめのVPN
それぞれのVPNはお得に利用できるキャンペーンも豊富なので、まずはお試しで利用してみるのもおすすめです。